嬢の事件簿

生産性のない日常事件簿

事件ファイル16:職場の鈴木さん

お久しぶりです。

突然ですが、職場にいる鈴木さん(偽名)という方について備忘録がてら残しておきたいと思います。

 

鈴木さんは同じ職場の70代の非常勤さんです。

初めて会った日から私は、ひとりっ子という私との共通点に背中をのけぞらせ驚き、結婚の決め手を堂々と「占い」と答え、極秘ルートで手に入れた等身大ぺこちゃんが家にいると自慢気に話す生粋のマキシマリストの鈴木さんに魅了されてしまいました。

 

本人曰く、貧乳がコンプレックスとのことで、貧乳のあまりブラのホックが外れ喉仏にブラが突き刺さったという必笑の掴みを持っています。

私に豊胸手術の相談を持ちかけてきては、「今は芸能人さんがみんなやってるから何も問題ないよね〜」と言いますが、どのタイプの芸能人が豊胸していて何をもって問題ないとしているのか私にはよく分かっていません。

職場で健康診断があった時は、前日に「内科検診の時に下着は邪魔だからノーブラで行く。どうってことないわよ。」と意気込んでいたのも束の間、当日、医師が思いがけず若いイケメンだったらしく落ち込んでいました。

 

そんな鈴木さんの出勤服はいつもヒラヒラ・スケスケ・キラキラの三拍子が揃っているのですが、「休日は比べ物にならないほど派手な服だから私と気づかないかも!」と言う自己申告タイプのスイッチガールです。

ちなみにジュディオングがデザインしたド派手なコートを持っているけれど、派手すぎてそとんど着たことがないらしいです。

 

 

駅から職場へ向かう途中、昭和に建てられたことが一目でわかる集合住宅があります。その中に、古びて黄色くなったプラスチック製の植木鉢に年中チューリップやマリーゴールドを咲かせている家があり、鈴木さんは通るたびに「ここのお父さん本当にガーデニングがじょうずねえ〜ほんっとに綺麗。見かけたら上手くお花を育てる秘訣を聞くのよ。」と言いながら嬉しそうにお花を見ています。

私はそんな鈴木さんをいいなあと思います。

 

私はとても平凡な人間です。平凡な人間だから地方公務員になって、休日は音楽を聴いたり映画を観たりお笑いを見たりします。

自己表現で人を楽しませる人に憧れるし、本当に格好いいなと思うし、あまりにも何にもできない自分に嫌気がさしたりもします。

そんな時に自分と同じ職場で定年まで働いた鈴木さんに出会って、芸能の才能を手段にしなくってもいいんだな、と思うようになりました。

 

ちなみに、鈴木さんの最近の悩みは、天国に持参したいものが多すぎて持ち込みきれるか不安ということらしいです。

やっぱり私は、鈴木さんのことをいいなあと思います。いつか一緒に爆買いしたいなあ